KATO製品編

1-A. 電車・気動車のフレンドリー化される前の動力車 (フレンドリー化後もほぼ同じです)

★かなり走行していて車輪の汚れが酷くギクシャクする走行の場合(モーターが全く動かない場合を除く)は、動力台車を分解し洗浄・注油します。

▲モーターが全く動かない場合や動力台車の車輪メッキ部分が黒く焼け焦げた状態の場合は、Assyパーツの動力ユニットと動力台車をお買い上げください。

尚、新幹線や輸出向け車両は構造が違う為に分解が難しくなりますので、上級者向けになります。無理をしないように挑戦してください。

ボディーと動力ユニットの分解ですが汚れが酷く無い場合は分解する必要は有りませんが、汚れが酷い状態を想定して分解する方法を説明いたします。ボディーの窓ガラスに4ケ所の凹みが有り動力ユニットのツメが引っ掛かって止まっています。時計用ドライバーのマイナスを差し込んで片妻面ずつゆっくり外してください。
画像1画像2画像3画像4
それから動力台車も同じく(画像2)時計用ドライバーのマイナスを差し込んでテコの応用で簡単に外れます。画像1の状態から画像3ギヤ部分を分解しますが、初めてされる場合は一度に両方の動力台車を分解せずに片方ずつしてください。燐青銅集電シューの内側樹脂突起部を押さえればパチンと外れて分解できます。
画像4a画像4b画像4c
画像4の状態に分解し画像4a4b4cの状態でギヤに糸くず等繊維状の物が絡み付いているはずです。丁寧にピンセットで外して異物を取ってください。それから市販のアルコール(薬局で購入してください)をカップに入れて分解した動力台車を全て浸してください(画像5a)。汚れが酷い場合は動力台車の根本のパーツ(動力台車受け)を動力ユニットから外して合わせて入れてください(画像5b)
画像5a画像5b
2〜3分後に一つずつ取り出して歯ブラシで磨きながら綿の布(タオル等)で汚れを拭き取り元の状態に組み立てます。部品が小さいのでピンセットで飛ばさないように注意してください。又、画像4 cのギヤ付車輪ですが、ギヤと車輪が一体でないとスムースな走行は望めませんので、指で回すと回転する場合は車輪をギヤ軸から抜いて瞬間接着剤を付けて固定してください。(汚れたアルコールは捨てずに別のビン等に入れて次回の修理に使う用にしましょう)
画像6a画像6b
画像6aの燐青銅集電シューの軸受け部の汚れは、時計用ドライバー小型プラスの先を使って磨いてください。動力台車を組み立てる前にトラクションタイヤ(ゴムタイヤ)を新品に交換しておきましょう。車両により一部サイズが異なりますが、電車・気動車用はZ01A4012(20ケ入 \420)になります。又、パーツの組立てには必ず向きがありますので、注意して組み立ててください。動力台車が元の状態になれば燐青銅集電シューの先端を(画像6b)平ヤスリ(油目)で軽く磨いてください。
画像7a画像8画像10
大切な注油ですが当店ではKATO ユニクリーンオイルを推奨しております。メーカーに関係無く全ての模型や全ての部分で使用可能です。注油で重要な場所は画像7aのメタル両側部分で、画像8のギヤ部分はメタルに注せばギヤ部分に流れますので注す必要は有りません。最後に動力台車を元の状態に戻しますが(画像10)、モーターの先に付いている黒色樹脂のジョイント受けに動力台車から伸びているジョイント(今回は黄緑色)を挿入しないと車両が動きません。慣れてくれば床下器具カバーを外さずに(画像10)挿入できるようになりますが、注意して組み立ててください。もし、モーター音がするのに車両が動かない時は画像3ギヤ部分の組立て(古くなるとツメが甘くなりプラギヤと真鍮ウォームが噛み合わない状態)に問題が有るか、ジョイント受けにジョイントが入っていない場合しか有りません。改めて確認して見てください。


★車両を買ったまま数年動かしていない場合で、走行はするが異音(金属音)がしたりスムースに動かない状態や全く動かない状態の場合は、動力台車を動力ユニットから外して注油と燐青銅集電シューの接点不良を解消します。

ボディーを付けたままで動力台車も分解する必要が無いために、慣れれば数分で新品の状態に戻ります。画像2で紹介したとおり時計用ドライバーのマイナスを差し込んでテコの応用で動力台車を外します。画像6の燐青銅集電シューの先端を平ヤスリ(油目)で軽く磨いて画像9のメタル両側に注油し(時間が経っている場合はメタル部がオイルで固まっているために指でジョイントをスムーズに動くまで回してください)組立て直すだけです。画像8のギヤ部分に注油をしても残念ながら問題の解決にはなりません。返って動力台車が油まみれになりレールを汚す原因になります。

画像9

1-B. 電車・気動車のフレンドリー化後の動力車

フレンドリー化後の動力ユニットは、(画像2)で紹介したとおり動力台車を時計用ドライバーのマイナスを差し込んで外しますが、モーターから延びたジョイントの構造が違う為にジョイントを動力ユニットに残したまま動力台車のみ外してください(画像1a)。ジョイントをピンセットで挟み動力台車を引っ張れば簡単に外れます。もし、ジョイントを動力ユニットから外してしまった場合は、動力ユニットをボディーから分解し動力ユニットの床下器具カバーを外しジョイントを元の状態に戻してください。パーツの形態が少々違いますが作業内容はフレンドリー化前と同じです。

画像1a


2-A. 電車・気動車のフレンドリー化される前の先頭車

★かなり走行していて車輪の汚れが酷い場合や車両を買ったまま未走行の場合でも、前尾照灯がチラツキしっかり点灯しない状態は、ボディーと床板を分解して接点不良を解消します。

○最も古い台車がピン式のタイプ(案外時間が掛かります)

画像11画像12

画像11のように時計用ドライバーのマイナスを差し込んで台車を床板から取ります。床板はインテリアから伸びた突起4ケ所を押さえてボディーから取り画像124枚の集電板(ウエイトが当たる端と台車集電板が当たる細い部分)とウエイト鉄板の端を耐水ペーパー#600程度で磨きます。集電板は薄いので力を入れすぎると曲がりますから注意しましょう。その後ユニクリーンオイルかKURE CRC 6-66で磨いた金属表面を保護しますとより効果が持続します。画像13の台車集電シューの先端を平ヤスリ(油目)で軽く磨く事と、車輪を1軸ずつ外して軸受け部の汚れを時計用ドライバー小型プラスの先を使って磨く事が最も重要なポイントになります。画像14の前尾照灯ユニットの接点も忘れずに軽く磨きます。

画像13画像14

○台車がネジ式のタイプ

画像15画像16

画像15の床板をボディーから取り外し台車のネジを回して床板とインテリア部分を分解します。このタイプは細い集電板の台車集電シューが当たる部分と前尾照灯ユニットの接点が当たる部分(画像16)を耐水ペーパー#600程度で磨きます。又、画像13の台車集電シューの先端を平ヤスリ(油目)で軽く磨く事と、車輪を1軸ずつ外して軸受け部の汚れを時計用ドライバー小型プラスの先を使って磨く事が最も重要なポイントになります。

2-B. フレンドリー化後の先頭車

画像17

画像17フレンドリー化後は構造が違う為に、床板に付いている薄い集電板をむやみに曲げると前尾照灯が点灯しなくなります(薄い集電板の角度が変わると接点不良を起こします)ので、台車集電シューの先端を平ヤスリで磨く事と車輪を1軸ずつ外して軸受け部の汚れを時計用ドライバー小型プラスの先を使って磨くだけにしましょう。

3-A. 電気・ディーゼル機関車でフライホィールが付いていないタイプ

画像18

原則的な修理内容は電車用動力と同じです。画像18はネジ式で最も古いタイプの動力ですが分解し易く時間は掛かりますが確実に直る製品です。ボディーと動力ユニットを分解してダイカストユニットも分解します。動力台車の受ける部分とウォームギヤ部分が良く汚れます。ダイカストユニットを片側ずつアルコールに浸けて汚れを落としてください。動力台車もナイロンギヤが付いている根本のダイカストを外して全体の汚れを落としてから組み直してください。最後に注油はギヤの根本など回転する部分に少量注すようにしてください。尚、パーツを破損及び無くすと保守部品がメーカーに無い可能性がありますので、より注意して作業してください。

3-B. 電気・ディーゼル機関車でフライホィールが付いているタイプ

画像19

画像19ボディーと動力ユニットを分解して動力ユニット上部集電板を軽く持ち上げてカバーを外してから動力台車を外しますが、この動力ユニットはほぼ同じ構造でダイカストブロック両側曲面のツメで動力台車が引っ掛かっていますので、時計用ドライバーの小型マイナスを差し込んで外してください。この動力台車は車輪までは簡単に外れますが、ギヤーまで分解するのは大変ですので外さずにピンセットと歯ブラシでしっかり異物を取り除いてください。後の作業は電車用動力台車と同じです。 

SL関係は分解及び調整も難しくパーツが繊細で破損し易いために、紹介は差し控えさせていただきます。何とぞご了承くださいますようお願い申し上げます。